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スマホから始まる親子の終活 その2

FP Officeの 宮本 誠之と申します。

FPとして、様々な世代の要望に応えるべく、日々情報収集をしております。

そんな中で私が興味を持ったもので、これを読んでいただいた方の将来に役に立つかな、という情報をこれからお届けしていこうと思っています。

『デジタル遺品の探しかた・しまいかた、残しかた+隠しかた』〈1〉

という本を読んでいます。

(前回の記事はこちら→スマホから始まる親子の終活

前回の「スマホのスペアキー」を簡単におさらいします。

スマホなどの電子機器のパスワードを名刺大のカードに書いて、修正テープで覆い、いざというとき、スクラッチカードのように削ると、パスワードが現れ、これで故人のスマホのパスコードロックを解除できる、という。この本の著者は、ここまでを推奨していますが、個人的にはこの修正テープに割り印を押しておくことを推奨します。

まずはこの用意が一歩目。でも、スマホはプライバシーの塊ですから、ぜひ、中身の整理をしてみましょう。

今回は、中に入っているデータ【デジタル遺品】という言葉についての説明です。

一般的には、「パソコンやスマホ等のデジタル機器に保存されたデータやインターネットサービスのアカウント等」を指します。IT化が進んだ今、この遺品は、様々なものを取り込み、膨らみ続けています。

デジタル遺品には、金銭的な価値も含まれますが、感情的な価値もたくさん含まれています。「金銭的」というと、いわゆる相続に関係のある財産となりますし、「感情的」というと、写真動画文書などの故人の思い出にまつわる部分です。

そして、オフライン、オンラインというわけ目もあります。

本体に保存されているものが、オフラインのデジタル遺品です。

相続のことを定めている法律の大事なものに、民法というものがあります。

その民法上の所有権は機器本体にあり、その機器所有権を相続した相続人が処分等を自由に行える、という見方をします。

個別のオフラインのデジタル遺品データは、民法上では実体がないと考えられており、所有権という対象にならず、相続することもできません。

オンラインのデジタル遺品は、例えば、ウェブサービスやSNSに保存されているデータです。

アカウントといって、自分のIDと

パスワード等を登録する仕組みがあり、「契約した人しか使えない」という規約があると、【一身専属】と表現され、故人のみの権限しかないとなり、相続することは不可能です。一身専属の規定が明確に示されていないこともありますので、第三者となる管理元との相談が必要な場合もあります。また、利用者死亡で、運営側が利用を停止してしまう場合があるので、注意が必要です。

このように、データの種別、相続できる対象、注意点について先に確認することがポイントです。もし様々なことの準備前に、身近な人が亡くなってしまった、などあるようでしたら、故人がお持ちだったスマホなども、慌てて契約解除する前に、その中に必要なデジタル遺品があるかもしれないと思い、確認することが重要です。

相続・終活、ちょっと切り出しにくいかも…とお思いの方。

こんなことを親子の間で話題にすると、スマホやパソコンの中のデータ整理や共有が進むきっかけになったりするかもしれませんね。

まずは一歩ずつです。

ご参考になれば幸いです。この本、さらに読み進めておりますので、また今度続きを書こうと思います。

〈参考文献〉

〈1〉伊勢田篤史・古田雄介,"デジタル遺品の探しかた・しまいかた、残しかた+隠しかた"

   ,日本加除出版,2021年10月,204頁,978-4-8178-4754-6


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